
石窯で焼くことで変わるパンのクラストと香り
- 執筆:
- 清水 誠
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- 石窯
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石窯とコンベクションオーブンでは、熱の伝わり方が根本的に違います。Map Vista Studioが2008年に石窯を導入してから、パンの焼き上がりが大きく変わりました。その違いを具体的に説明します。
輻射熱と対流熱の違い
コンベクションオーブンは熱風を循環させて焼きます。熱が均一に当たる反面、生地の表面が乾きやすく、クラストが薄くなりがちです。石窯は蓄熱した石が輻射熱を放射します。生地の表面と内部に同時に熱が伝わるため、クラストが厚く、内側はしっとりした状態に仕上がります。
石窯の温度は250〜280度で焼成します。この高温で短時間に焼き上げることで、生地が一気に膨らみます(オーブンスプリング)。この膨らみがクラムの気泡構造を作ります。
スチームと窯の湿度
焼成初期に蒸気を入れることで、生地の表面が乾燥するのを防ぎます。表面が乾燥しないうちは生地が膨らみ続けられるため、ボリュームが出ます。石窯は密閉性が高く、生地自体から出る水蒸気が窯内に留まります。この自然な湿度が、クラストの光沢と厚みを作ります。
香りの変化
石窯の高温焼成では、メイラード反応とカラメル化が強く起きます。メイラード反応はアミノ酸と糖が反応して褐色物質と香り成分を生成する反応です。石窯で焼いたパンが香ばしい理由はここにあります。
2008年に石窯を導入したとき、同じ生地を焼いても香りがまったく違うことに驚きました。コンベクションオーブンでは出せなかった、焦げる一歩手前の香ばしさが出るようになりました。
石窯の焼き上がりを家庭で再現するには、オーブンを最高温度で十分に予熱し、鋳鉄鍋(ダッチオーブン)を使う方法が近いです。完全に同じにはなりませんが、輻射熱の効果を部分的に再現できます。
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